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2017年9月4日月曜日

市街地レースを考える (2013)

※この記事は2013年に書いてそのまま下書きのまま放置していた記事です。
当時の情報になっているので、現在と状況が異なる場合がございますのでご了承ください。

スウェーデンを始めとした北欧で行われているSTCC(Scandinavian Touring Car Championship)は北欧各地で人気を博している。
以前まではWTCC等で使われていたS2000規定に準拠したマシンで戦われていたが、前年からは、TTAと呼ばれるDTMのようにワイドなエアロのシルエットフォーミュラになり、パワーアップした車両が使われるという。(追記:2017年現在はTCR規定にて開催している。)
開催されるサーキットは、スウェーデン国内の常設サーキットが主を占めるが、他にも競馬場にアスファルトを敷いて使用した仮設コース、飛行場を利用したコースなど、仮設コースでもバラエティに富んだ開催地で行われているのだ。
その中でも、ヨーテボリ(Göteborg)でのレースに注目したい。
ヨーテボリは市中の中心を川が流れ、すぐ海につながっている湾港都市で、古くから貿易で栄えたという。
その街の中心を流れる川にある埠頭に特設コースが作られているのだ。

名前は「Eco Drive Arena」。距離は1.5km程度で、道幅も非常に狭く、ガードレールも近い仮設コースだ。






埠頭の先端に作られた半常設サーキットで縦長で狭いながらもピット、観客席などをコンパクトにまとめている。


公道での市街地レースを開催するハードルはとても高い。
道路を数日間封鎖し、交通を妨げる。サーキット周辺設備の準備にもかなりの時間がかかるだろう。
こういった所から、警察署からの返答は大抵の場合NOを突きつけられる事が多いというイメージが有る。
だが、実際にとある市街地レースの計画に関わっていた方から聞いた話だと、きちんと条件さえクリアしていれば警察の許可は難しくないらしい。これは個人的には驚きだった。
しかし、最も重要なのは地域住民や企業などのコンセンサスを十分に得なければならないということだ。
例えば公共施設。警察署や消防署、病院の目の前の道路でレースをするという事は、100%あり得ない事になる。まず、許可は降りないだろう。
もちろん、レースウィークは騒音や通行規制で地元住民が苦い顔をする事もある。
モータースポーツという物に対する理解がない方々も沢山いるはずだ。

現在、スーパーGTにて沖縄・豊見城市での市街地レース開催を目指しているが、これは商業用地のため、民家が完全にない地区を選んで開催を目論んでいる。
まだ、商業用地としても企業の数も少なく、空き地も多いように見られるから、企業との交渉も比較的スムーズにとり行えるのではないだろうか。
(2017追記:豊見城市でのレースを進めていた組織の代表が2014年に亡くなってしまい、そこから進展はない)

市街地レースでの開催は難しい、しかし、比較的街中または近距離で開催したい。
そう考えた時に、このヨーテボリのような埠頭や埋立地や空き地などを使った半常設の臨時サーキット建設がいいのではないかと思った。

問題としては、面積の問題としてかなりこじんまりとしたサーキットになってしまうのではないかと思われる。
ヨーテボリの場合も、ツーリングカーレースだからギリギリ成り立つようなサイズのサーキットである。
例えば、日本のトップフォーミュラであるスーパーフォーミュラや、GT500とGT300の混走で行われるスーパーGTは難しそう。
スーパーGTはクラスを分けて開催することは出来るだろう。
両シリーズ共にピット作業が必要なため、ピットも広めに取らなければならないだろう。
何よりレースを見世物として考えた場合に、オーバーテイクも少なく単調な行列レースになってしまうこともあり得る。

モータースポーツの魅力を伝えるには、やはり実際にレースを観戦するのが一番ではないだろうか。
しかし、地方のサーキットにレース観戦に行くには腰が重くなるのが一般的だろう。
だからこそ、サーキットを街に持ち込んで、レースをやるというのはモータースポーツの更なるファン獲得にも繋がるのではないだろうかと考える。
自家用車がなくても、公共交通機関で気軽に見に行けるイベントを開催してみてはどうだろう。
毎年お台場でやっているデモランでは物足りない。実際のレースの魅力を伝えるにはレースそのものを間近で見てもらうのが一番手っ取り早い。
そんなヒントがこのヨーテボリにはあるのではないかと思う。

(2017追記:ヨーテボリのレースは2014年以降開催されていない)

2017年9月2日土曜日

力道山の相模湖のサーキット (神奈川県)

"相模湖畔に"力道山の夢"
50万坪の総合観光センター リキ観光開発
まず大ゴルフ場(来月竣工) レジャー施設を集大成
 プロ・レスラーの力道山(百田光浩氏)は「リキ観光開発株式会社」(代表取締役・百田 光浩)をこのほど設立、神奈川県津久井郡相模町「間(あい)の山」南側一帯約百六十五万五千平方㍍(五十万坪)の土地にスポーツ・ランドを建設することになった。現在の計画はゴルフ場、自動車レース場、ボーリング場、スケート場、水泳プール、射撃場、洋弓場のスポーツ施設とモーテルをつくり、完成のあかつきには観光遊覧地とするもの。
 同地帯は東に津久井湖から高尾山、西は相模湖を一望に見渡せる丘陵地帯で、四十一年には目下進行中の東京都心からの弾丸道路が完成する予定で、完成すれば都心から約三十分で到着できる。
 第一期工事はチャンピオン・コースのゴルフ場の建設で、既に相模町の公私有地の買収を完了し、測量を終わって「レイクサイド・カントリー・クラブ」と命名、七月から本格的工事に着工、明年十月に開場する予定。
 公費は約十五億円。設計は井上誠一氏(関東地方の一流コースの霞ヶ関、龍ケ崎、川崎国際、旧軽井沢、武藤、那須、日光、大洗、大利根、鷹之台、湘南、戸塚、読売などの設計者で、ゴルフ場設計の第一人者)で、ゴルフ場の完成後、他の施設に着工する。
力道山の話
 スポーツに育ち、スポーツに一生を捧げる私の蘇生の念願は、広く人々に楽しんでもらう施設をつくることだ。すでに都内にはリキ・スポーツ・パレスをこしらえたが、こんど相模湖畔の広大な土地に総合レクリエーション・センターを建設する計画を立てた。最初にゴルフ場をこしらえるが、どこのコースにも負けない"日本一"のものをこしらえたい。そして安い費用で多くの人々に楽しんでもらうのだ。私は自分がゴルフ好きだし、世界の有名なゴルフ場を自分の目で見、プレーしてきた。だからゴルファーの立ち場から理想的なものをつくりたい。計画は順調に進んでいるので、予定通りオープン出来るだろう。"
(日刊スポーツ 1963/6/7)

力道山はプロレスリングでの膨大な収入を元に起業。
60年代初めには東京都内で不動産やレジャー施設、常設プロレスリング会場などの経営をしていた。
その延長から計画されたのが、相模湖畔の総合レクリエーション・センター。
先行したゴルフ場建設の後に計画の一環として、サーキット建設が予定されていた。
どの施設も巨額の投資を投じて作られた当時では豪華なもので、このゴルフ場の計画やサーキット場、その他レクリエーションセンター全体の計画を見ても莫大な物となっている。

"またプロレス力道山も相模湖近辺に世界一の自動車レース場を作る原案を持っている。"
(日刊スポーツ 1963/6/12)

力道山は様々な趣味の中に自動車もあり、当時最先端の四輪・二輪を所有していたという。
メルセデス・ベンツ300SLを所有していたというのも有名な話。
そういう事から自動車に関しての造詣は深そうだ。

しかし、同年12月に力道山が刺殺されるという事件が起き、ゴルフ場の建設は中止された。
なお、ゴルフ場「レイクサイド・カントリー・クラブ」に関しては一部着工していたようである。
後に跡地は売却され、1972年にはさがみ湖ピクニックランド(現さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト)という遊園地となった。